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高等魔術の教理と祭儀 教理篇
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近代思想について考察する場合、マルクスの『資本論』と並べてエリファス・レヴィの『高等魔術』を常にいま一方の極にすえて見つめる複眼的視点が、こんにち私たちには必要なのではなかろうか。前者が労働の福音書、〈団体〉の神話、光と進歩の思想の典型とすれば、後者は沈思の 予言書、〈個人〉の宗教、闇と遡行の思想の典型として、ともに均しい現実性を主張するにもかかわらず、〈光〉が〈闇〉を押しのけ、長い白昼のみが一方的に歪められた支配を続けてきたのが近代社会のたどった歴史といってよいだろう。しかし、こんにちの世界的なオカルト思想復興は、ようやく訪れた黄昏の始まり、『資本論』が『高等魔術』の暗闇の中へ没し去る前触れとも見れなくはないだろう。(生田耕作)
『高等魔術の教理と祭儀』は、理論を解説した『教理篇』、実践方法を解説した『祭儀篇』の二つに分かれている。本書『教理篇』では、カバラ的・錬金術的・キリスト教的角度から、魔術作業の根底に横たわる諸原理・諸理論を取り上げる。
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