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超越論的存在論
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存在者へとアクセスする存在論的条件の探究
物自体への接近を論じるメイヤスーらの思弁的実在論と、ヘーゲルを独自の形で解釈するブランダム、マクダウェルらの分析哲学の批判的検討により、カント以降のドイツ観念論を新たな存在論として再構成することを試みた力作。「世界は存在しない」「複数の意味の場」など、その後に展開されるテーマをはらみ、ハイデガーの仔細な読解も目を引く、哲学者マルクス・ガブリエルの本格的出発点。
「本書で私が示したいのは、カント以降の観念論(特にフィヒテ、シェリング、ヘーゲルの哲学)を、現代の英米圏における一面的な(にもかかわらず科学一辺倒である)超越論的認識論と、昨今のフランス哲学における存在論の回帰(バディウやメイヤスー)のあいだの中間的な立場とみなすことができる、ということである。こうした中間的な立場にはまさに、私が超越論的存在論と呼ぶものを明確化することが必要なのである。私の説明によって、カント以降の観念論の構想が、「規範的なヘーゲル主義者たち」が私たちに抱かせるよりもいっそう存在論に近く、思弁的実在論が望んでいるよりもいっそう洗練され複雑であることが、明らかになるであろう。」(本書より)
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