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人文書院

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「死」の知られざる相貌

人間にとって死は、恐怖や不安、苦悩や悲嘆といった、否定的なものの源泉でしかないのか。古代ギリシアから現代まで、西洋における宗教や哲学による死をめぐるさまざまな見解と対話しつつ、有限な生と切り離しえない死の相貌を描き出す、フランスの代表的ハイデガー研究者による渾身の作。

「何よりも固有な、自分の運命にむけて自分自身を開くように、死にむけて自分自身を開くこと。自分がそうであるところの〈死すべきもの〉に、ほんとうの意味でなること。人間存在が思考という手段でなすべき仕事は、こうしたことであるように私には思われる。だが、この思考は、かつて西洋の全伝統においてそうであったような、死にあらがうための処方箋をさがし求めることではないだろう。それは根源的な有限性と絶対的な死の定めを、ほかの何ものにもまして「活気づける」思考であるだろう。」(本書より)

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