人文書院
幻想の終わりに
幻想の終わりに
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「独自性」を追い求める社会は、私たちに何をもたらすのか社会はより良く進歩しているという「幻想」が潰えた後期近代。生産のオートメーション化、デジタル革命、単純サービス業の増加等、産業構造の転換によって新しい階級社会が誕生している。リベラルでエコロジカル、グローバル志向の新たな中産階級が影響力を振るい、個々人は「独自性」を競い合う。世界規模で起こっているこの変化は、私たちの生活に何をもたらすのだろうか。欧米の最新文献を網羅しながら現代社会の矛盾や両義性を鮮やかに描く、ドイツ発の新たな社会理論。
「公的な議論は、確固たる楽観的な進歩主義からディストピアやノスタルジーへと、すなわち、ある選択的な見方から別の見方へと転換した。だからといって、現代社会の構造を理解し、それに対処することが以前より簡単になったわけではない。とはいえ、幻想の終わりが画一的な悲観主義に行き着く必要はない。幻想がないということは、冷静なリアリズムを可能にし、分析のための空間を開くような美徳でありえるのだ」(本書より)
原書:Das Ende der Illusionen--Politik, Ökonomie und kultur in der Spätmoderne by Andreas Reckwitz(Suhrkamp Verlag, Berlin 2019)
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本書初版第一刷において、以下の間違いがありました。大変申し訳ありません。お詫びして訂正いたします。(編集部)
p.120 9行目「
p.306 1行目「ギデンス」→「ギデンズ」
p.321 後ろから4行目「意義を解き」→「意義を説き」
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