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家と車が戦後のすべてを変えた

『サンフランシスコ・レヴュー・オブ・ブックス』批評家選賞&ローレンス・ワイリー賞、ダブル受賞

第二次世界大戦後、フランスは急速な資本主義化とアメリカ化による日常生活の根本的な変化を経験する。その変化の速度は無意識のうちに人びとの感覚を変え、思考をも変えた。それは後に世界を席巻するフランス現代思想の誕生にも繋がる。本書は、ゴダールやボーヴォワールなど豊富な映画、文学作品から急速に変化する社会を分析し、起伏に富んだ歴史を斬新な視角からダイナミックに描き出す。フランスのみならず多様な地域で経験された「戦後」の本質に迫る名著。

「戦後フランスの近代化の並外れた速度は、ブローデルが出来事の時間性として規定したものの性質を帯びているようであった。それは、一直線で、劇的で、息もつかせぬものだった。戦後、フランス社会を帝国意識の強いカトリックの農村国から、遍く産業化され、植民地を持たない都会的な国へと変えたこの速度は、すなわち、近代化が要求する物事――たとえば、教育を受けた中間管理職、購入可能な自動車やその他「成熟した」耐久消費財、科学的・機能主義的なモデルにしたがった一連の社会科学、あるいは旧植民地出身者による労働力――が、 真に新しいものの力やそれに対する熱狂、混乱、恐怖を内包しながらも戦前の価値観を手放せずにいた社会に突如現れたことを意味した。」(本書より)

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