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人文書院

うちあけ話

うちあけ話

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「ねぇ、聞いてよ、ここだけの話だけど……」

生れ育った国も、背負った過去も、築いたキャリアも異なる四人の女性が、互いに明かす胸のうち。そこに写し出される女性であることの哀しさ、醜さ、さもしさ、そして、その驚くべき強さ!

フランス・ゴンクール賞に輝いた現代の《人間喜劇》

 

アメリカ中西部の大学町、魔女狩りをテーマにした国際フェミニズム・シンポジウムを終えた四人の働く女性たちが、そのうちの一人の家で一夜を明かし、翌朝、目覚めてから正午前に別れるまでのほんの数時間のあいだに交わした会話と追想が題材となっている。

アメリカの大学でフランス語を教える黒人のアメリカ人、パリで小説を書いているフランス人作家、ノルウェー人の元絶世の美人女優、それにアメリカの別の大学でフランス語を教えるユダヤ系フランス人で、気鋭のフェミ二ズム理論家。生い立ちも、馴れ初めも、友情や信頼度、互いのわだかまりも異なる四人のいわばキャリア・ウーマンたちが、束の間、泊り合わせた家の台所という出口なしの密室で顔を合わせる。誰からともなく、期せずして胸の内を明かしてしまい、こころをぶつけ合う。ユーモアあり、皮肉ありの本音が飛び交い、しだいに辛辣な応酬で傷つけ合う。しかしながら、互いに惹かれ合ってもいる。

仕事面では成功しながら、愛する人や家族にそっぽを向かれた女性たちの友情の限界やその葛藤。同じ屋根の下に集うという偶然から、他者と向き合うことで自分の弱点を認め、自分の原点を見つめ直し、明日への活力を見出していこうとする女性たちの健気さと逞しさが、諷刺とユーモアたっぷりに謳い上げられている。

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