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人文書院

親鸞の手紙

親鸞の手紙

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鎌倉新仏教草創期、幕府の弾圧と流罪に遭いながら、ひたすら専修念仏の実践と布教に努め、浄土真宗を開いた親鸞──

その厳しい求道ひと筋の生涯の終りに、遠く離れた、信仰の熱意に燃える最愛の弟子たちにむかってしたためられた、現存する全四十三通の手紙の現代語訳。

 

いまわれわれが接することができる親鸞の手紙はすべて、七十歳代から八十歳代にかけての最晩年に集中している。自力・他力の分別の如何、他力本願といえ自分の精進努力も必要ではないか、という混乱する東国念仏者たちの信仰への疑念にこたえ、徹底した信心中心の思想、弥陀仏への絶対的信仰を往生の要とする専修念仏を心をこめて説き明かし、切々とうったえる姿は、その老齢を考えると感動的である。なかでも、「悪人正機説」で有名なように、「善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」(『歎異抄』)という親鸞思想の核心が、誤った教説に歪められ混乱を深めていること、その誤りの中心人物が誰あろう息子善鸞であることを知るにおよび、やむなく義絶にいたるあたりの、苦悩に満ちた手紙には圧倒される。

なお本書では、親鸞の手紙のほかに、妻の恵信尼が娘の覚信尼に宛てた十通の手紙(大正年間に発見された)を添えることで、非僧非俗の自らのプライバシーについて一切語らなかった親鸞のもう一つの姿も垣間見せている。

前著『法然の手紙──愛といたわりの言葉』(人文書院、一九九一年)同様、一般読者向きに逐語訳を排し、専門用語もできるだけ平易な現代語に置き換え、手紙の背景となる歴史的事実の解説と、登場人物への的確な注記をほどこした、今最も読みやすい親鸞書簡集として薦めたい。

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