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ソシュールとインド
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構造主義の起源はインドにあったのか?
構造主義言語学の祖、ソシュールが唱えたシニフィアン、シニフィエ、差異といった概念は20世紀の思想を一新し、いまなお影響を及ぼしている。しかし、はるか以前、古代・中世インドにおいて極めて類似した考え方を提示した文法家たちがいた。そして実は、ソシュールは早熟なサンスクリット語学者でもあった。時を越えて響きあう思想の類似ははたして偶然なのか。インド文法学の気鋭が厳密な比較考察で挑む、思想史を塗り替える可能性を秘めた比類なき知的冒険。
「私は本書において、ソシュールの言語思想とインド文法学の言語思想の二つを比較検討し、両思想には間違いなく通底するものがあることを明示しようと試みる。そして、のちに構造主義と呼ばれることになる思想体系をソシュールのもとで育むことになった、あるいはそれを発展させる動力となった素材の一つとして、インドのサンスクリット文法家であるパタンジャリやバルトリハリの言語思想というものがあった可能性を、一定の確度をもって開きたいと思う。」
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