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人文書院
映画が恋したフロイト
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フロイト博士は本当に映画が嫌いだったのか?
同時期に産声をあげた二卵性双生児ともいえる精神分析と映画の屈折した運命とは?
ドッペルゲンガー、パラノイア、シェルショック…映画のなかに登場する精神分析的なモチーフやテーマに注目し、それらが分かち合ってきたパラレルな運命に照準をあわせその多彩な局面を考察する。
1890年代後半、精神分析と映画はくしくもほぼ同じころに産声を上げる。そしてある意味で、この二つは同じ歴史を生き抜いてくる。なかでも、多くの精神分析医や精神科医のみならず映画人たちが、ナチスの台頭によってドイツやオーストリアなどからアメリカに渡ってきたというのは、その象徴的な出来事である。こういう言い方が許されるなら、不幸中の幸いでもあるこの運命のいたずらがないかぎり、ハリウッドにおける映画の黄金時代はありえなかっただろうし、精神医学におけるアメリカの台頭もなかっただろう。「はじめに」より
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