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人文書院

日高六郎の戦後啓蒙

日高六郎の戦後啓蒙

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日高六郎とは何者か、そして戦後とは何だったのか。新たな思想史の誕生。
戦後日本を代表する知識人として多大な功績を遺した社会学者、日高六郎(1917-2018)。アカデミズムの枠を越え、多様な知を取り込みつつ、リベラルな立場からなされた数々の行動と発言は、思想史において独自の位置を占めている。本書では、その存在の大きさに比して顧みられることの少ない日高の学問と思想を、1960年代までの前半生を中心に、彼が特に力を入れた社会心理学と教育運動の面から丹念に考察する。戦後リベラルの知的遺産を検証するとともに、「戦後」という時代そのものを相対化する力作。
「「戦後」という時代がはるか遠い過去のものとなったいま、戦後の人々の体験と思想を注視してきた「行動する知識人」の軌跡は、重要な意味を帯びている。日高を研究対象に据え、彼がどのように社会変革を展望して人々にはたらきかけ、またそこから何を得てきたのかを明らかにすることで、統一的な視野の下で戦後思想史を把握する道が開かれるだろう。それは同時に、かつて「知識人」と呼ばれる人物の発言が広範な社会的影響力と重みを有した「知識人の時代」を、歴史として対象化することにも寄与するだろう。戦後とは、日高のような知識人の存在形態があり得た固有の時代であった。」(本書より)
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